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ここまで、何度も登場したキーワード、エイジング（経年変化）についてここでまとめておこうと思います。 文字通りage（歳）を重ねて変化していくことです。 質の良い革は、使っていてただ古くなるのではなく、使い込むことによって味が出てきます。 長く使いこんで、エイジングをさせることを革を育てるという表現をすることもあります。 もともと革は、個体差がある素材ですが、使い方しだいでさらにそれぞれの個性が出てきます。 使い方、手入れの仕方で人それぞれ、自分だけの革製品になることが革製品の魅力といえます。 ■柔らかく手に馴染むようになる コードバンやブライドルレザーなどは特にそうですが、新品の革はかなり硬い素材です。 触ってみてもなんだか他人行儀な手触りで、二つ折り財布は折り曲げても硬さがあるため結構な厚みがあったりします。 ポケットにしまってもポコっと膨らんだような感じになります。 しかし、使い込むうちに繊維がほぐれてだんだん柔らかくなってきて、手に馴染み、折りたたんだ時もペタンと小さくなり、ポケットにもすっぽり収まるようになります。 こうなってくると、他人行儀な感じだった革も、自分のものになったような感じになります。 柔らかく手に馴染むようになる、この手触りの変化がエイジングの効果その1です。 ■色が落ち着いてくる 手触り、感触の変化以外にも、色の変化があります。 革の種類によって違いますが、表面仕上げをしていないヌメ革は、少しずつ日に焼けて白っぽい色から、茶色く色づいて来ます。 ブライドルレザーやココマイスターの扱うロウ吹き仕上げのコードバンは白く浮き出たブルームが落ちて光沢が出てきます。 YUHAKUの染め上げられたレザーは染料の鮮やかな色合いに加えて、素材の革自体が徐々に革本来の色合いを見せてきて独特の色の変化が楽しめます。 この色の変化がエイジングの効果その2です。 ■エイジングには高品質な革をお手入れすることが肝心 エイジングは経年変化ですが、言い換えれば古くなるにつれ変化しているということです。 良質な革製品の場合は、古くなるにつれていい効果、いい変化をしているわけです。 質の悪い革では古くなると劣化して、時間が経つにつれてボロボロになっていくだけです。 長い間蓄積された技術と伝統に守られて、皮を精製する段階でしっかりと加工されている革製品こそ、長い時に耐えられて、エイジングを楽しめる下地があります。 しかし、あくまでも長い時に耐えられる下地があるだけです、きちんと革の種類にあった方法でメンテナンスしてあげないと、質のいい革でも色褪せ、ひび割れ、表面の剥離などを起こしていまいます。 革製品はきちんとお手入れしてあげましょう。 そうすれば、長持ちし、エイジングが楽しめて自分だけの革製品に育っていくはずです。